野獣先輩「恥の多い生涯を送ってきました」

自分には、ノンケの生活というものが、見当つかないのです。

自分は下北沢の田舎に生れましたので、電車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。

自分を笑い者にすることで精神の平衡を保ってそう

自分は下北沢駅のブリッジを、上って、降りて、そうしてそれが線路をまたぎ越えるために造られたものだという事には全然気づかず、ただそれは駅の構内を外国の発展場みたいに、複雑に楽しく、ハイカラにするためにのみ、設備せられてあるものだとばかり思っていました。

野獣先輩「私の人生に恥じるものは一つもない」

野獣先輩「私は誰よりも努力した。そう、愛するものを手にいれるために」

野獣先輩「君たちとは違う。私は選ばれた人間だ」

また、自分は子供の頃、薔薇族で地下室というものを見て、実利的な必要から案出せられたものではなく、地上の部屋でやるよりは、地下の部屋ほうが風がわりで面白い遊びだから、とばかり思っていました。

自分は子供の頃から病弱で、よく寝込みましたが、寝ながら、敷布、大きい枕、掛蒲団のカヴァを、つくづく、つまらない装飾だと思い、それが案外に実用品だった事を、二十歳ちかくになってわかって、人間のつましさに暗然とし、悲しい思いをしました。

女としなければ子は生まれぬ、という言葉は、自分の耳には、ただイヤなおどかしとしか聞えませんでした。
その迷信は、（いまでも自分には、何だか迷信のように思われてならないのですが）しかし、いつも自分に不安と恐怖を与えました。
人間は、女としなければ子が生まれぬから、そのために女としなければならない、という言葉ほど自分にとって難解で晦渋(かいじゅう)で、そうして脅迫めいた響きを感じさせる言葉は、無かったのです。

つまり自分には、人間の営みというものが未いまだに何もわかっていない、という事になりそうです。
自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々、転輾（てんてん）し、呻吟（しんぎん）し、発狂しかけた事さえあります。

文豪先輩

ホモは文豪

文豪はホモ

先輩失格

まーた文章力の高いホモが来たのか